Internet Explorer: “キモい父”が本になった! 娘を持つすべてのお父さんへ、中学生女子が伝えたいこと

2015年10月8日木曜日

“キモい父”が本になった! 娘を持つすべてのお父さんへ、中学生女子が伝えたいこと


父と娘のマジトーク・番外編:“キモい父”が本になった! 娘を持つすべてのお父さんへ、中学生女子が伝えたいこと


昨年秋のコラム「お父さんがキモい理由を説明するね」が126万PV超えの大ヒット。出版社から声がかかり連載が書籍化されました。書籍化を記念して連載復活、父と娘でマジトークを振り返るとともに、娘から世の中のお父さんへのメッセージを贈ります。



皆さんお久しぶりです。「父と娘の週末トーク」と題して連載コラムを書いていました。お読みになった読者の方も多いのではないでしょうか。「あぁ、キモいおっさんが娘に冷たくされていた、あの気持ち悪い記事ね?」と思った方、その通りです、アレです。
連載2回目、2013年11月に掲載されたコラム「お父さんがキモい理由を説明するね」は非常に多くの方に読まれ、2日で100万PV(累計で126万PV)を越えるというヒット記事に。この記事が広まったのがきっかけとなり、出版社から連載の書籍化を打診され、「これもなにかのご縁」ということで、連載をまとめた本『お父さんがキモい理由を説明するね』が4月19日に発売されました。

「キモい父さんが本になったんですよ」と誠編集部に連絡したところ、「それはめでたい! 終了した連載だけど、そういうことなら書籍化記念ということで一回だけ復活させましょうよ。そうですねえ、連載時とは逆に、娘さんにお父さんについて書いてもらうというのはどうですか?」という返事をもらって決まったこの番外編。

そんなわけで今回は、番外編として改めて「父と娘のマジトーク」を娘と振り返ってみます。中学生の娘・サオリ(仮名)にも原稿を書いてもらいましたので、お楽しみに。
ay_nkym01.jpg『お父さんがキモい理由を説明するね』

「キモいお父さん」が書籍になった

父: サオリ、喜べ! お父さんとお前のマジトークが書籍になったぞ。
娘: うーむ、とうとう書籍化されてしまったか……。
父: どうして喜んでくれないの?
娘: いや、あたしとお父さんのくだらない会話が、本になってしまうことが不思議で不思議で(笑)。
父: 何を言う! 父と娘の珠玉の会話だぞ。お父さんだって、他の家庭の父と娘がどんなふうに接しているのか、知りたいもん。くだるか、くだらないかは、我々の決めることじゃない。
娘: それにしてもさ、そもそも何がキッカケで、書籍化って話になったの?
父: 「お父さんがキモい理由を説明するね」って記事が、Business Media 誠で記録を樹立(※)するほど読まれたんだが、それが出版社さんの目に留まったんだ。で、書籍化しませんかってお誘いを受けたの。
※126万9052PV、4261ツイート、2万1000いいね!

娘: 本のプロの人が「これはイケるネタだ!」って感じてくれたんだ。思いもしないことが、世の中に評価されることがあるんだね。
父: 本当だよな。お父さんも、話があったときは「何かの冗談だろ」って思ったくらいだ。人生で一度は自分の書籍を出してみたかったから、そういう意味ではとてもウレシイんだが、まさか処女作がこんなタイトルになろうとは……。
娘: それは自業自得。いまだに、「キモい お父さん」で検索すると、あたしらの記事がびっしりなんでしょ?
父: おうよ。検索順位1位どころか、検索結果ほぼすべてを独占しているぞ。この記録を塗り替えるのは至難の業だ。
娘: 目指す人なんていないってば(笑)。

ay_nkym02.jpg「キモい お父さん」の検索結果を独占

マジトークは、やりたくなかった

父: これまでのマジトークを振り返りたいんだけどさ、最初に誘ったとき、ちょっとイヤそうな素振り見せてたよね?
娘: 正直に言うと、イヤだったよ。
父: どうして?
娘: だって、「お父さんと、いったい何を話すのよ?」ってなるでしょ。学校や部活のことは下校したらお母さんに話すから、べつにそれ以上言うことないんだよね。
父: でも、お父さんは、お前とお母さんの会話は聞いていないじゃないか。
娘: うん、でも面倒くさい。同じ話を2回も繰り返したくないの。
父: お父さんは、学校や勉強のこと、気になるから話しかけるんだけどな。
娘: そりゃ分かるけどさ、ドラマみたいに毎日事件はないよ。フツーに授業受けて、フツーに部活しているだけだから、わざわざ話すほどのこともないでしょ。
父: そのフツーなことでいいから、聞きたいんだってば(笑)。
娘: でも、お父さんは以前よく、「学校はどうだ?」とか、「最近どうだ?」って振ってきたでしょ。あの質問は雑すぎると思わない?
父: そう?

話題を子供に丸投げしないで

ay_nkym03.jpg小学6年生のころの娘。持っているのは自作のなめこイラスト。左のはアッガイなめこ、右のはシャア専用ズゴックなめこ(@ジャブロー)
娘: あたしからしたら、「どうって……なにがよ?」ってなっちゃうし。
父: 質問の意図があいまいすぎる?
娘: うん。話題をこっちに丸投げしないでって思ってた。そういう質問の仕方をするってことは、娘を観察していないって証拠だよ。あたしをよく見ていれば、何に興味があるとか気づくはず。
父: うーむ、それは認める……。サオリのほうから、面白い話をしてほしがっていた部分はあったな。
娘: あたしが好きな柴犬とかなめこ栽培とか、他にも話のキッカケはあるでしょう? そういうところから来ればいいのに。大人の男の人が、女子中学生の立場になって考えるのは難しいかもしれないけど、想像力を使えば不可能ではないでしょ?
父: いや、でもそれは難しいぞ。
娘: お父さんだって、じいちゃんとばあちゃんの子供なんだから、子どもの立場は分かるはず。自分が親からされて嫌なことは、きっとあたしもそうだとは、なんとなくイメージできるでしょ?
父: うーむ、ぐうの音も出ない……。
娘: 要は、もっと工夫をしなさいってこと。押してダメならもっと押せじゃなくて、引くんだよ。拳銃で歯が立たない敵には、ミサイルをぶつけるとか、そういうことね。
父: はい、すみません…。

マジトークで起きた、親子の最大の変化とは

父: しぶしぶではありつつも、マジトークをやってみてどう思った?なにか変化はあった?
娘: うーん……何かが劇的に変わったってことはないね。
父: そうだね、今もお父さんはキモいんでしょ?
娘: あいかわらずキモいよ。
父: じゃあ、マジトークをやる前とやった後では、なにも変わっていない?
娘: そうでもないんだよ、何ていうのかな……心の余裕ができたのが一番の変化。
父: ほほう、どういうこと?
娘: 以前は、あたしもお父さんも、自分のことで一杯一杯だった気がするの。「ねえねえ、サオリターン」、「話しかけないで!触れないで!」、「こっち向いてよぉー」、「きめぇぇぇ」、「ねえってば~」、「まじうぜぇぇぇ」、「父親に向かってその言葉遣いはなんだぁぁ」、「逆ギレかよぉぉ」、みたいなやりとりばっかりだったでしょ?
父: ま、まぁ……否定はしない(笑)。
娘: でも、マジトークをした今なら、どんなことでもお父さんと話せるって思えるよ。
父: それはお父さんもなんだ。肩の力を抜いてしゃべることが、できるようになったよね。
娘: だって、死とか生きる意味とかを真剣に話したんだもん。このこと比べたら、それ以外のことなんて、たいしたことはないよ。

娘を持つ世のお父さんは、○○○に気をつけろ!

娘: これは、お父さんだけじゃなくて、世の中のパパさんたちに言いたいんだけどさ。
父: なになに?
娘: 娘って、自分が父に無条件に愛されているってこと、よーく知ってるんだ。それを利用してくる子もいるから気をつけた方がいいよ。
父: 甘えて、お金を出させるとか、そういうこと?
娘: そう。「あれ買って」っておねだりしたり、「これくらい大目に見てよ」とか。ちょっと甘えれば、父親はデレデレになるんだよ。「娘が話しかけてくれた!」、「俺は頼りにされている!」って舞い上がっちゃダメだよ、逆に娘から急に構ってくるようになったら、ちょっと注意した方がいい。
父: なぜそれをお父さんに言うんだ? 黙っておけば、お父さんからお金を巻き上げられたものを、タネ明かししちゃったじゃないか。
娘: だって、そんなことしたって、あたしのためにならないでしょ。甘えれば欲しいものが手に入るのは、家族同士だから通用するんだよ。そんなことをしたまま社会人になったら苦労するから、本人のためにならないんだよ。
父: 優等生っぽい発言で、面白くない……。
娘: 面白いかどうかの問題じゃないでしょ(笑)。父親は、娘に嫌われることを怖がっちゃダメ。
父: 嫌われてしまうと、この世の終わりかのように悲しむお父さんだっているかもだぞ。
娘: 嫌われるっていっても、一瞬だよ。1週間もしたら、何に腹を立てていたかも覚えていない。親子関係がそんなので壊れることはないんだから、父は娘の機嫌をいちいち気にしなくていいの。厳しくなれないと、娘から下に見られちゃうよ。
父: 覚えておくよ。ありがとう(笑)。

最大の壁は「どうやって始めるか?」

父: メリットは多いマジトークだけど、具体的にどう始めればいいかな? やってみようって思うお父さんの中には、わが子が誘いに乗ってくれるかどうか、不安に思う人もいると思うんだ。
娘: 確かに、いきなり2人きりで話すのは、抵抗あるかもね。
父: だろ? われわれをそのまま真似ることができない親子もいるかもしれない。どうしたらいいかな?
娘: お母さんがいてくれるだけで、娘はずいぶん話しやすいと思う。
父: つまり、2人きりじゃなくて、父と母のセットってことね。
娘: 父と娘でやるのは、3人で話すのに慣れてからのほうがいいよ。
父: 話題は何からはじめるのがいいだろう?
娘: やっぱり、軽めのテーマからでしょ。女子が好きな恋愛系からがいいかな。同級生たちもそうなんだけど、好きな人の話ってすごく盛り上がるんだ。
父: そうなんだ。
娘: 書籍用に、追加でマジトークをしたじゃない? あの中で、父母娘の3人で「彼氏の選び方」っていうのを議論したけど、私はすごく楽しかったし、2人の考え方を知ることができて勉強にもなった。そのテーマなら、「話すことが何もない」ってことにはならないはず。
父: やはり、子供の興味関心から広げていくのがいいんだろうな。
娘: そう、だから親は子供を観察していなくちゃダメだよ。中学生の女子なら、恋愛、ドラマ、アニメ、音楽のどれかだね。どれにも興味のない女の子は、まずいないと思うから。

親子で話し合うなら「キモい理由」から始めよ

父: いよいよ娘と2人きりで話せるまで関係が復活したとして、どのテーマを話すべきかな? お前の経験から、「これはやっとけ」ってテーマを選ぶとしたら、何だ?
娘: そりゃ、「父がキモい理由」で間違いないね。娘に思う存分、なぜ父のことがキモいと思うのかを説明させるの。お父さんは完全に聞き役ね。反論とか言い訳はガマンするんだよ。
父: サオリも、「キモい」がテーマのときはイキイキとしていたもんな……(笑)。
娘: だって、お父さんに思う存分に文句を言えたの、初めてだったんだもん。
父: ガマンさせて済まんかった。
娘: 娘はスッキリできるし、お父さんは新しい事実を知ることができるから、お互いが得るものがあるよ。
父: 「キモい理由」から始めろってことで、ファイナルアンサーだな。

娘から世の中のお父さんたちへメッセージ

父: ところで、サオリから、世の中のお父さんたちに向けたメッセージがあるんだって?
娘: うん、文章にまとめたよ。
父: どれどれ、ぜひ読ませてくれ。

娘を持つすべてのお父さんへ、13歳の女子中学生から贈る言葉

私からのアドバイスは大きく分けて2つあります。

まず一つ目は「かわいがり方」です。自分の娘はかわいくて、かわいくてたまりません。その気持はどの父親だって持っていますが、それを我慢できるかできないかです。かわいがりすぎてもあまり効果はありません。そのかわいがりたい思いを少し我慢して、もう一人の自分が上から見下ろしている感じに工夫すれば、少し日常に変化がくると思います。 もしそれができないのなら、自分の娘は父親からどんどん離れていくでしょう。「押してダメならもっと押せ」というのではなく、「押してダメなら引いてみろ」という違う考えも今後必要になってくると思います。

そして二つ目。娘のかわいさに負けて、甘やかしすぎてはいけません。 つい、ちょっとしたキッカケで「まあ、いっか」という気持ちも出てくると思いますが、そこが落とし穴です。なんでもかんでも買ってあげるのは、娘のためにはなりません。自分の娘だからとことん「ひいき」してやりたい気持ちはあると思うのですが、そういうときに思い出してください。「厳しさ」。 本当にかわいくて大切な自分だけの娘なのですから、厳しさを忘れないでください。もしそれがやりにくいのなら、例えばテストで**点以上とったら○○○を買ってあげる、などと言ってみたらどうですか。子供はそれがほしいがために頑張って勉強します。それができないのなら、あなた(父親)は娘(子)に利用されているまでです。何をするのにも大げさにやる必要などないのです。「ほどほど」にが一番です。 そして、私達のように娘とトークしてみてはいかがですか。「○○○の話をする!!」というのはそこまで決めないで、初めは娘が興味を示すものから! ささいな事も、一回受け入れてあげてください。 父親と娘だけでだと、いきなりすぎるので娘はいやがるでしょう。最初は母親と手を組んで、3人で始めるのがオススメです。ぜひ、試してみてください。(原文ママ)

父: お父さんも、肝に命じておくよ。しかし、あいかわらずマジメな内容で面白味に欠ける(笑)。
娘: だからあたしはマジメだってば!

ay_nkym04.jpg『お父さんがキモい理由を説明するね』
以上で、父と娘のマジトーク「番外編」は終了です。本編を未読の方は、下にあるバックナンバー一覧からどうぞ。世のお父様方はもちろん、これからお父さんになる若い方、子供はすでに成人してしまった子育て終了の方、さらにはお母様方にもおおいに共感いただける内容になっていると自負しています。
書籍『お父さんがキモい理由を説明するね』では、連載した10テーマについてすべて追加でトークを行い、2倍の内容に加筆したほか、妻と父を巻き込んで「正しい彼氏の選び方について」「両親それぞれの人生の後悔について」「家系について」「人生の航海について」「死について」という5テーマについて書き下ろしを追加して収録しました。連載を読んでくださった方にはもっと楽しめる内容に仕上がっていると自負していますので、ぜひ手に取ってみてください。



[父と娘の週末トーク]




















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