ガガもビーバーも夢中!? 新サービス「Fancy」をご存知か?
2012年にアメリカで設立されたオンラインサービス「Fancy(ファンシー)」。レディー・ガガ、ジャスティン・ビーバー、ビル・ゲイツなど、その愛
用者には錚々たる顔ぶれが並ぶ。果たして“ソーシャルコマース”という言葉で語られるそのサービスの内容とは? そして第二の市場として日本に注目した理
由とは? 「Fancy Japan」代表の矢田公作氏に話を聞いた。
“クール”な商品であればなんでもOK
今年2月 「Fancy」なるアメリカ発の新サービスが上陸した。「Facebook」や「Twitter」に代表されるSNSの機能(=ソーシャルメディア)と、 オンラインショッピングの機能(=Eコマース)を組み合わせた、“ソーシャルコマース”を提供するウェブサイトだ。なかを覗いてみると、俳優のアシュト ン・カッチャーやミュージシャンのピンクといった著名なセレブリティや目利きによって選び抜かれた商品が、美しい写真とともに並んでいる。シンプルでクリーンなデザインは、写真共有サービスの「Pinterest」や「Instagram」をおもわせる。実際サイトの90%を占めるのは文字 ではなく写真。ブランド名やアイテム名、価格(購入できる商品のみ)など必要最低限の文字が添えられているだけで、商品の魅力を伝えている一番の“営業マ ン”は写真である。ファッションアイテムから家具、ガジェットまで、「品質にもデザイン性にも優れた“クール”な商品」であれば「なんでもOK」(矢田 氏)なんだとか。「いいね!」や「Like」ボタンと同様、気になった商品に「Fancyする」ボタンを押すと、その情報が共有されるという仕組みだ。
日本への本格進出を決めたワケ
「理由は主にふたつあります。ひとつ目は日本が美しいデザインの宝庫であるということ。消費者も商品の善し悪しを見極める確かな目を持っています。これは 日本が世界に誇れる“天然資源”と言えるでしょう。将来的にはFancy Japanのサイトを通じて、日本の優れた商品を世界に発信していきたいと考えています。
そしてふたつ目は、スマートフォンやタブレットなど、携帯情報端末の普及率が高いこと。Fancyはウェブサイトからスタートしましたが、いまやユーザー のほとんどはアプリケーションを使ってアクセスしています。日本の消費者は、そうした端末で商品を購入することにも慣れているので、Fancyととても相 性がいいとおもいました」
CEOジョセフ・アインホーン氏との出会い
ハーバード大学を卒業後、金融関係の仕事に就くつもりで来日した矢田氏。だが運命のいたずらとも言うべきか、たまたま出会ったバスケットボールチームの
コーチにスカウトされ、2年間プロバスケの世界に身を投じることになる。その後、実業家に転身した彼は、Fancyの設立に携わっていた大学時代の友人を
通して、CEOのジョセフ・アインホーン氏と出会い、Fancyの今後について意見を交わすようになっていく。
「バスケを引退した後は、日本でEコマースの事業をはじめるつもりでいました。準備のためにいろいろなウェブサイトを見て回りましたが、Fancyの勢い は飛び抜けていました。見た目に楽しくて、実用性も兼ね備えている。これまでにないビジネスモデルが現れたとおもいました。実際にジョセフと会って話して みると、目指している先がおなじだったんです。そこから『手を組もう』となったのはごく自然な流れでしたね」 |
個人の行為から、モノを通して会話が生まれる場所へ
「ジョセフといつも話しているのは『オンラインショッピングを楽しくしたい』ということ。お店を歩き回って、気になったものを手にするのとおなじ感覚で、 スマートフォンやパソコンの画面をスクロールしながら、気になったものを『Fancyする』。それを見た友達が『それあんまりだね』『◯◯君にいいかも』 とか、いろいろ突っ込みを入れる。モノを通して会話が生まれるわけです。それこそが、ぼくたちの目指す“ソーシャルなショッピング体験”なんです」
Fancy Japan代表。1984年アメリカ合衆国・オレゴン州生まれ。日系3世の母親と米国人の父親を持つ。ハーバード大学卒業後に来日。プロのバスケットボー ル選手として活躍した後、実業家に転身。2013年2月にFancy Japanをスタートさせた。3月にはm-floのVERBALをキュレーターに起用した“福袋”こと「Fancy Box」を発売。矢田氏は「これを機に、日本発の商品を充実させていきたい」と話す。
Fancy
http://www.thefancy.com/
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