スクリーンの中央 にある丸い穴でヴァーチャルな白球を捕らえるゲーム「AMU」。
いつでも「ひとりキャッチボール」ができる
かなりの運動量が必要。
TEXT BY LIZ STINSON
IMAGE BY JOE DOUCET STUDIO
TRANSLATION BY GALILEO
WIRED NEWS (US)
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WIRED NEWS (US)
ニューヨークで活躍するデザイナーであるジョー・ ドゥーセが近所のコーヒーショップにいたとき、見慣れているはずの光景が不意に気になり始めた。「座っている人が全員、背中を丸めた姿勢で 携帯電話をのぞき込んでいた。本当に全員が」
携帯電話を使うとき、われわれの活動範囲は平らなスクリーンサ イズの世界に限られることが多い。これに気づいたドゥーセ氏は、人々が携帯電話と現実世界、 同時に両方とやり取りできる何かをつくりたいと思った。そうしてできたのがiPhone向けのアプリ「AMU(99セン ト)」だ。
AMUは人間の知覚をうまく利用した携帯ゲームで、ドゥーセ氏がアプリ開発会社のSirqul 社とともに作成した。
AMUはヴァーチャルなキャッチボールを楽しむアプリだと思えばいい。単純に言うと、ス クリーンの中央にある丸い穴でヴァーチャルな白球を捕らえることが 目的だ。とても簡単なことのように聞こえるが、球がスクリーンの外へ飛ぶとなると話は別だ。
「ボー ルをキャッチするには、携帯デヴァイスをちょっと傾けるだけでなく、自分自身がかなり動かなくてはならない」とドゥーセ氏は説明する(下の動画)。 AMUは手ごわくて、ユーザーを少しイライラさせるが、消えた球が残す視覚的手がかりから、ボールを捕えるためには自分自身が動かなくてはいけないことが わかる仕組みになっている。
ゲームはプレイヤーに、スクリーンに集中すると同時に物理的に動き回ることを求め、機敏 さや目と手の協調関係(の有無)をテストしてくる。ドゥーセ氏によ ると、Sirqul社のスタッフたちはゲームをしている最中、自分たちが知らないうちに激しく動き回っていることに気づき、フロントカメラを起動して AMUに興じる自分の姿を録画して友人たちに送ったそうだ。
AMUのデザイン過程は非常に簡単だった。ドゥーセ氏の 望みは最初から、現実の空間をスクリーンと同じくらい重要なものにすることであり、モバイルのユー ザーインターフェースの境界線を押し広げることだった。そこを出発点にして、あとはゲームの絵コンテをサッと仕上げ、シンプルなグラフィックスとメニュー を追加するだけだった。
「スクリーン上でゲームのデザインを始めるのではなく、ゲームが自分の周囲の至るとこ ろを舞台にして起きるようにすることを考えた」と ドゥーセ氏は語る。「スクリーンをゲームがある場所としてとらえるより、ゲームを見るための入り口のひとつとして考えている」
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