2013年1月31日木曜日
世界記録サーファー、30mの波を征服 Garrett McNamara
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世界初、3Dプリンターでつくる家 Landscape House, designed by Janjaap Ruijssenaars
オランダの建築家が世界最大の3Dプリンターを使い、「メビウスの帯」の形をした継ぎ目のない家を建設しようとしている。
TEXT BY IAN STEADMAN
IMAGES BY UNIVERSE ARCHITECTS
TRANSLATION BY TAKU SATO/GALILEO
WIRED NEWS (ENGLISH)
オランダの建築家が世界最大の3Dプリンターを使い、「メビウスの帯」の形をした継ぎ目のない家を建設しようとしている。
「Landscape House」と名付けられたこの家は、アムステルダムに本拠を置くUniverse Architecture社のヤンヤップ・ライジシェナーシュ(Janjaap Ruijssenaars)が設計した。このねじれた構造の建物の中に、およそ1,100平方メートルの床面積が確保される予定だ。
建築に使われる3Dプリンターは、粉々にした石や砂を混ぜ合わせた材料を液体の結合剤で結びつけることで、6×9mの大きさの物体を「印刷」できるもので、イタリア人のロボット工学技術者であるエンリコ・ディニが開発した。
ディニ氏は数年前から自作のプリンターを使って巨大な物体を印刷しているが、居住用として実際に設計された家を制作するのは今回が初めてだ。建物全体が一体 化されて継ぎ目がひとつも見えない家をつくるために、メビウスの帯の形に設計したことは理にかなっている。
「風景の本質とは、連続性だと思う。地球は丸く、谷はいつか山になり、海はいつか陸地に向かうが、それらはすべてひとつの景観だ。だ からわれわれは、始まりも終わりもない建物を目指した」と、ライジシェナーシュ氏は語る。
現時点では、巨大な区画を3D印刷で構築し、それらを結びつける工法になるが、理論的には構造物全体をひとつの連続した建物として印刷できるようになるは ずだという。
ライジシェナーシュ氏によれば、Landscape Houseは従来の工法と同様に堅牢だという。「建物はきちんと構造計算している。たとえば、ファサード(建築物の正面)はガラスと細い鋼鉄でできている。このファサードと床および天井の組み合わせが、 この建造物に堅牢さを与えている」
価格と工期
ライジシェナーシュ氏の見積もりによれば、Landscape Houseは価格が330万~420万ユーロ(およそ3億9,700 万~5億600万円)、工期が18カ月になるという。
建築技法の面でこの建物が興味深い理由は、木枠をつくり、そこにコンクリートを流しこんでから取り除くという面倒な作業を省略できることだ。
こうした工法は貧しい人向けの住宅としても利用できるかもしれない、とライジシェナーシュ氏は言う。すでに南アフリカ共和国のある会社からアプローチがあったという。また、ブラジルの国立公園がヴィジターセンターとしてLandscape Houseに関心があるとも報道されている。
なお、将来的には月で宇宙飛行士のための基地や道具を3D印刷する構想もある。
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『ソナチネ』はビートたけしの実体験が元になっていた!?
1月27日に放送された「日曜ゴールデンで何やってんだテレビ」がおもしろかった。
第一回目の放送は石橋貴明相手に、元気が出るTVのフリップ毒舌芸をそのまんまやっていて (TBSのニュース番組でも同じことをしている)、そのくだらなさ/変わらなさに感動を覚えたが、 その後、若手のコント師にお題を与え、3時間でコントを作ってもらうという企画がメインになり、それを見てビートたけしが評するという、どっかで見たような番組になってしまった。 ところが、今回は芸人・ビートたけしの足跡(そくせき)を石橋貴明と共に追うというもので、ゲストは島田洋七。ふたり が漫才ブームのときによく遊んだという六本木のお店をめぐり、そこでの思い出話に華を咲かせるという企画。バブル全 盛期だったこともあり、とんでもない金の使い方をしていたというエピソードなど、非常に興味深く拝見した。 その中で、フライデー襲撃事件の話になり、事件後の約半年、判決が出るまでたけしは何をしていたのか?というくだり になり、驚くべき事実がVTRによって紹介された。 事件後、たけしはひとり沖縄の石垣島に渡り、コテージの中で身を隠していたというのだ。 唯一、そのときに沖縄に呼んだのが、軍団のメンバーではなく、親友である島田洋七。本人曰く「ひとりで何もやることがない。ねーちゃん呼ぶわけにいかないし、ゴルフしてたら目立ってしょうがないから」と電話で呼び出したらしいのだが、たけしはあまりにもやることがなかったのか、島田洋七が沖縄に着いたときは、貝殻を集めてその貝殻をゴルフクラブでひたすら打っていたという(またそれが絵になってるんだわ とうっとりした表情で語っていた)。 この話を聞いたとき、すぐに思い出したのが、北野武監督の代表作『ソナチネ』であった。 『ソナチネ』の あらすじはこうだ。暴力団幹部の村川(ビートたけし)が組長に「友好関係にある沖縄の組の抗争をなんとかしてこい」と命令される。ところが村川が来たことにより抗争は激化。刺客たちに狙われ、弟分たちも数人殺される。なんとか生き延びた村川と弟分は海辺の廃屋に身を隠す。 さて、逃げ延びた村川たちはこの廃屋で何をするか?ひたすらヒマをつぶし続けるのである。 『ソナチネ』は 監督自身もいちばん好きな作品だと語り、世界的な評価も著しく高い。ある種の集大成的な作品でもあり、逃亡した先々で遊びつづける男たちというプロットは 『BROTHER』や『HANA-BI』にも受けつがれている。 元々『ソナチネ』は 『沖縄ピエロ』という仮タイトルがついていたが、そのプロットは どっちかというとルネ・クレマン監督の『狼は天使の匂い』に似ていると思っていた。ところがだ。目的を失ってしまった村川たちが、東京にも戻れず、もしかしたら殺されてしまうかもしれないという状況の下、沖縄の海辺で延々とヒマをつぶすというのは、明らかにフライデー襲撃事件後のたけしそのまんまである。 他にも洋七は「海にヒザまでつかりながら沈む夕陽を見ていたら、漁師が近づいてきて、生きてるタコを渡された」というエピソードを話していたが、これも釣り師の恰好で近づいてくる殺し屋のモデルだとしたら納得がいく。 「どうでもいいと言いながら、本当は悩んでいたと思う。テレビ復帰出来るのかな? とかね。事務所もあるし、弟子もいるし、俺が働かなきゃって思ってたんじゃないのかな」というのは洋七の弁だが、そういうなんとかしなきゃと思う反面。すべてを投げ出して、一応の責任を全うしたあとに死んでしまいたいという気持ちもどこかにあったのかもしれない。それをそのまんま映画と いう媒体にぶつけたのが『ソナチネ』で あり、奇しくもそれが北野武の代表作になってしまったというのは興味深い。今までこの話は聞いたことなかったので、なるほどと関心したのだが、もしかしたらこれってビートたけしファンの間では有名な話なのかな……? ちなみに、番組はその後、ゲストに爆笑問題が登場。立川談志とのエピソードが語られていたが、これも大変素晴らしかった。ビートたけしと石橋貴明という大物が絡むというだけでお笑いファンにとっては事件なのだ。ヘタな企画よりもこういった素材を活かすようなことをこれからもしてほしいと願うばかりである。
くりおこわが嫌い http://d.hatena.ne.jp/katokitiz/20130130/1359511154
第一回目の放送は石橋貴明相手に、元気が出るTVのフリップ毒舌芸をそのまんまやっていて (TBSのニュース番組でも同じことをしている)、そのくだらなさ/変わらなさに感動を覚えたが、 その後、若手のコント師にお題を与え、3時間でコントを作ってもらうという企画がメインになり、それを見てビートたけしが評するという、どっかで見たような番組になってしまった。 ところが、今回は芸人・ビートたけしの足跡(そくせき)を石橋貴明と共に追うというもので、ゲストは島田洋七。ふたり が漫才ブームのときによく遊んだという六本木のお店をめぐり、そこでの思い出話に華を咲かせるという企画。バブル全 盛期だったこともあり、とんでもない金の使い方をしていたというエピソードなど、非常に興味深く拝見した。 その中で、フライデー襲撃事件の話になり、事件後の約半年、判決が出るまでたけしは何をしていたのか?というくだり になり、驚くべき事実がVTRによって紹介された。 事件後、たけしはひとり沖縄の石垣島に渡り、コテージの中で身を隠していたというのだ。 唯一、そのときに沖縄に呼んだのが、軍団のメンバーではなく、親友である島田洋七。本人曰く「ひとりで何もやることがない。ねーちゃん呼ぶわけにいかないし、ゴルフしてたら目立ってしょうがないから」と電話で呼び出したらしいのだが、たけしはあまりにもやることがなかったのか、島田洋七が沖縄に着いたときは、貝殻を集めてその貝殻をゴルフクラブでひたすら打っていたという(またそれが絵になってるんだわ とうっとりした表情で語っていた)。 この話を聞いたとき、すぐに思い出したのが、北野武監督の代表作『ソナチネ』であった。 『ソナチネ』の あらすじはこうだ。暴力団幹部の村川(ビートたけし)が組長に「友好関係にある沖縄の組の抗争をなんとかしてこい」と命令される。ところが村川が来たことにより抗争は激化。刺客たちに狙われ、弟分たちも数人殺される。なんとか生き延びた村川と弟分は海辺の廃屋に身を隠す。 さて、逃げ延びた村川たちはこの廃屋で何をするか?ひたすらヒマをつぶし続けるのである。 『ソナチネ』は 監督自身もいちばん好きな作品だと語り、世界的な評価も著しく高い。ある種の集大成的な作品でもあり、逃亡した先々で遊びつづける男たちというプロットは 『BROTHER』や『HANA-BI』にも受けつがれている。 元々『ソナチネ』は 『沖縄ピエロ』という仮タイトルがついていたが、そのプロットは どっちかというとルネ・クレマン監督の『狼は天使の匂い』に似ていると思っていた。ところがだ。目的を失ってしまった村川たちが、東京にも戻れず、もしかしたら殺されてしまうかもしれないという状況の下、沖縄の海辺で延々とヒマをつぶすというのは、明らかにフライデー襲撃事件後のたけしそのまんまである。 他にも洋七は「海にヒザまでつかりながら沈む夕陽を見ていたら、漁師が近づいてきて、生きてるタコを渡された」というエピソードを話していたが、これも釣り師の恰好で近づいてくる殺し屋のモデルだとしたら納得がいく。 「どうでもいいと言いながら、本当は悩んでいたと思う。テレビ復帰出来るのかな? とかね。事務所もあるし、弟子もいるし、俺が働かなきゃって思ってたんじゃないのかな」というのは洋七の弁だが、そういうなんとかしなきゃと思う反面。すべてを投げ出して、一応の責任を全うしたあとに死んでしまいたいという気持ちもどこかにあったのかもしれない。それをそのまんま映画と いう媒体にぶつけたのが『ソナチネ』で あり、奇しくもそれが北野武の代表作になってしまったというのは興味深い。今までこの話は聞いたことなかったので、なるほどと関心したのだが、もしかしたらこれってビートたけしファンの間では有名な話なのかな……? ちなみに、番組はその後、ゲストに爆笑問題が登場。立川談志とのエピソードが語られていたが、これも大変素晴らしかった。ビートたけしと石橋貴明という大物が絡むというだけでお笑いファンにとっては事件なのだ。ヘタな企画よりもこういった素材を活かすようなことをこれからもしてほしいと願うばかりである。
くりおこわが嫌い http://d.hatena.ne.jp/katokitiz/20130130/1359511154
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ロジクール『イージースイッチ キーボード』K811
ロジクール Bluetooth イージースイッチ キーボード発表、iPad / iPhone / Macを簡単切り替え
そのほかの仕様は、近接センサーで自動 ON / OFF ができる「インテリジェントバックライトシステム」採用のキートップバックライト。輝度は環境光センサで自動調節のほか、ショートカットでマニュアル設定 もできます。
キーは丸みを帯びて中央が凹んだ「インカーブキー」、キーピッチ 19mm、ストローク2mm、押下圧 60g、キーの端を押しても力を均等に伝えて引っ掛からない「Perfect Stroke」のパンタグラフ式。テンキーがない 81鍵 の英語レイアウトです。 バッテリーは内蔵リチウムイオン、駆動時間はバックライトあり・一日2時間の使用で約10日間。 日本の Logicool では2月8日発売。価格はオープン、直営のロジクールオンラインストアでは1万800円。下に海外 Logitech 版の解説動画を掲載します。
2013年1月30日水曜日
俺の嫁が美人なわけ。『ファスト&スロー』はスゴ本
わたしの嫁さんは、美人である。
いわゆるカワイイ系ではなく、美人。レトロなフランス人形のような整った顔立ちをしている。一目惚れから十数年、結婚してよかったなーと思う。
だが、男女が一緒に暮らすのだから、順風満帆というわけにゆかぬ。カッとなって激しくやりあった夜や、冷たい応酬の日々が続いたときは、後悔する こともある。
さらに、メタ視点から、「この結婚」に対する認知の歪みも自覚している。結婚に費やした時間、コスト、感情、労力が莫大かつ取り戻せないため、 「この結婚はいいものだ」という認識に反する事柄を、予め排除しようとする。この結婚を否定することは、そこに費やしたわたしを否定することになる。あま りに犠牲が大きいため、結婚を疑うことに一種の恐怖を感じる。
そしてこれを、「サンクコストの誤謬」と呼ぶことも知っている。莫大な投資をした事業から撤退しようにも、取り戻せない費用を、サンクコスト(埋 没費用)という。これがあまりにも大きい場合、撤収をためらったり、プロジェクトを正当化しようとする。コンコルドの開発やベトナム戦争が有名だが、わた しの結婚にも当てはまる。自分が客観的に判断できないことを分かった上で、主観的に「まずまず」であればよし、と自分を納得させている。わたしは嫁さんを 「美しい」と思いたいのかもしれぬ。
本書によると、人の認識は(本人が思っている以上に)歪んでいるらしい。直感的な印象が、もっともらしいストーリーに結びつくと、人は「正しい」 と信じる。いったん「正しい」と確信されたものは、それに反する証拠を斥けようとする。タイトルの「ファスト」はこの直感を、「スロー」はつじつま合わせ の思考(指向/嗜好)を指す。豊富な例を挙げながら、意思決定の仕組みを解き明かし、人の認識がいかに錯覚の影響を受けているか、その判断がいかに歪んで いるかを浮き彫りにする。ギルボアの 『意思決定理論入門』が“決め方の科学”なら、本書は認知の歪みに焦点を当てた事例集として読むことができる。
例えば、1989年のエイラー事件。エイラー(Alar)は植物の生長を制御する化合物で、安全性が確認され、正規の許認可を得た上でリンゴに散 布されていた。発端は、エイラーを大量摂取させたネズミからガン性腫瘍が発見されたという報道である。環境保護主義者とメディアが不安を煽り、騒ぎ立てた 人がニュースになり、それがまた懸念を呼び出す。この連鎖的な自己増殖のパニックは利用可能性カスケードというそうな。先日紹介した、トヨタ・ バッシングも一緒。そもそも報道されるものは、新奇性があるとか感情に訴えかけるといったバイアスがかかっていることを知った上で、煽られ耐性を つけたいね。
あるいは、「もっともらしさ」を「起こりやすさ(確率)」に置き換えてしまうバイアスは、以下の質問で明らかにされる。
問:次のどちらの確率が高いか?
『ファスト&スロー』はこれに科学的根拠を与えてくれる。わたしの頭の中にある世界は、現実の世界の複製ではない。認知の歪みを利用されないため の予習として、さらには認知の錯覚に意識的になる訓練のため、何度も参照することになるだろう。
認知の錯覚やバイアスを学んだ上で、あらためて思う、わたしの嫁さんは美しいって、この結婚は(病めるときも健やかなるときも)幸せだってね。な ぜなら、そう考えるほうが幸せだから。
「きれいだよ」って告ると、「ななななによ///」とじたばたする。それが可愛い。水に「ありがとう」と言い続けても美味しくはならないが、嫁に 「きれいだよ」って言い続けると、晩飯のおかずが一品増える。どこまでが錯覚で、どこからがバイアスなのかは分からないが、おかずの数は客観的事実である。
- 来年、北米のどこかで、死者1000人以上の大規模な洪水が発生する
- 来年、カリフォルニア州で地震が発生し、死者数1000人以上の大規模な洪水を引き起こす
- 直感から最終判断までの一貫性を求めたがる
- 整合的なパターンを欲しがる
- 相関関係から因果関係を探したがる
- 難しい質問を簡単な質問に置き換えてごまかしたがる
- 自分が見たものが全てだと考えたがる
すると、予測は正しいことがわかった。パッ トの難易度やカップからの距離とは無関係に、パー狙いのパッティングは、バーディ狙いよりも成功率が高かったのである。バーディ狙いのパットで力を抜くこ とはない。しかしボギーは何としても避けたいという願望から、パーを狙うときは集中力が一段と高まるものと想像される。この 考察は誤っている。なぜなら、一般に、パーよりもバーディの方が難しい。従ってパーの成功率が高いから(証明終了)。成功率が高いからといって、「集中し ている」と結論付けるのはおかしい。「パットの難易度やカップからの距離とは無関係に」とあるが、パー狙いのパットの中で「難度と無関係に」得られた成功 率と、バーディ狙いの中で「難度と無関係に」得られた成功率とを比較しても、意味が無い。先に述べたとおり、パーよりもバーディの難度が高いから。 もし、ゴルファーの「集中度」を比較するために、バーディ狙いとパー狙いの成功率を調べるのであれば、条件をそろえる必要がある(そもそも「集中 度」なんて測れるのかというツッコミは置いとこう、彼らは「心理学者」なのだから)。つまり、同じ選手が同じ位置にあるボールに対し、バーディを狙ったの か、パーなのかを比較しなければならない。さらに、同一時刻、同一気象条件であるほうが望ましいだろう。250万ものパットを調べたということから、こう した条件はどれだけ考慮されているだろうか。 もちろん、わたし自身が誤っているかもしれない。著者は「自分が見たものが全てだと考えたがる」といい、わたしは、カエサル「人は自分が見たいも のしか見ない」をカウンターにしよう。認識の錯誤に陥っているのは、著者か、わたしか、考えるほどに面白い。 「人の認識は歪んでおり、判断はバイアスがかかっている」「人は不合理な選択をする」という主張に異を唱えるつもりはない。にんげんだもの。 しかし、著者が自慢顔で主張するほど、人はバイアスの奴隷になっているとは思えない。「人は、確率・統計的な情報に基づかない判断をすることもあ る」という方がしっくりくる。ホラあれだ、「コップ半分の水」の量は変わらないのに、「半分しかない」と言うのと、「半分もある」とでは、受ける印象が 違ってくる。表現の仕方によって、とらえ方、評価も変わってくるのが人だ。それを、わざと(?)強調した、あるいは言及しない文面でアンケートをとり、認 知の歪みをおびきだすのは、手の込んだ手品を見ているようだ。 ただ、これは言い換えると、著者の主張の通りとなる。同じ事実でも、表現の仕方によっては逆の結果が得られる。だから、その歪みにもっと自覚的に なろうってね。最初の数値によってプライミングされていないだろうか、経験と記憶を都合よく混同していないだろうか、直感を支える材料しか見ていないだろ うか……振り返ることができる。 どうやって人の欲望や恐怖を引き出して操るか、詐欺師も独裁者も広告主も、ずっと前から知っていた。そのカラクリを明かしたスゴ本は、チャル ディーニ『影響力の武器』と、プラトカニス『プロパガンダ』だ。心理実験や歴史に基づきながら、買物や投票や価値観に影響を与える手法が、徹底的に紹介さ れている。
わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる
(スゴ本 = すごい本)
http://dain.cocolog-nifty.com/myblog/2013/01/post-d2a9.html
「スマートフォンの子機?」が登場:HTC
HTCは大型スマートフォン向けに、子 機のような電話型端末「HTC Mini」を発表した。本体と無線でつながり、通話やカレンダー表示等が可能だ。
TEXT BY CASEY JOHNSTON
TRANSLATION BY RYO OGATA/GALILEO
(ENGLISH)
「Slashgear」の記事によると、サイズも機能も大きいスマートフォンと一緒に使うものだという。
その名も「HTC Mini」。ストレートタイプのフィーチャーフォンのように見えるが、HTCの特大スマートフォン 「Butterfly」(米国内では「Droid DNA」)と、近距離無線通信(NFC)でつないで使う。巨大な Android端末も、これで恥ずかしくないし邪魔にもならないというわけだ。
HTC Miniはテンキーと小さな画面があり、Butterflyの子機として使うほかに、Butterflyをより大きなディスプレイにつないだときにはリ モコンにもなる。Miniだけで電話をかけたり、カレンダーの予定やメッセージを表示したり、Butterfly側のシャッターを操作 したりもできる。
スマートフォンも5インチを超えるサイズになると使いにくい、特に片手では使いにくいという人がいるだろう。1,080pの美しい大きなディスプレイに惹 かれて大型スマートフォンを購入した人たちは、返品できなくなるまで、その現実を理解しないのかもしれない。それにしても、大きな端末の届かない部分を埋 め合わせるためにセットで使うデヴァイスを発表するとは。かえってその大きな端末が策略だったように思えてくる。
「Wall Street Journal」の記事によると、互いに補うサイズの携帯電話を2台持ち歩く習慣 は、これまでなかったわけではないという。アジアの女性のなかには、大きなスマートフォンをハンドバッグの中に入れ、服のポケットの中に は補助的な別の携帯電話を入れておく人が結構多いというのだ。われわれとしては、ファブレット(大型スマートフォン)の流行に合わせすぎなのではという印象なのだが、すでに利用している人が たくさんいるというのであれば、反論するのは難しい。
台湾のHTC社が、機能が限定された小さい「電話機」を発表した。
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空に現れた不思議な模様
イスラエル南部ネティボット(Netivot)で撮影された、上空を飛ぶムクドリの群れ
(2013年1月25日撮影)。(c)AFP/DAVID BUIMOVITCH
美しすぎるムクドリの群れを科学する
数千〜数万羽のムク ドリがつくる、美しく神秘的な群れの動き。コンピューターによるツール類の登場により、その秘密は生物学よりもむしろ最先端の物理学の範疇に入るものだと いうことが明らかになった。
TEXT BY Brandon Keim
PHOTO BY ad551/Flickr
TRANSLATION BY 中村航
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2013年1月29日火曜日
マイクロソフト Wedge モバイルキーボード&マウス
マイクロソフト Wedge モバイルキーボード&マウス、Bluetooth 接続で Windows 8 対応
ART|アンリ・カルティエ=ブレッソンの代表作54点を展示
ART|アンリ・カルティエ=ブレッソンの代表作54点を展示
シャネル・ネクサス・ホールで『こころの眼 L'Imaginaire d'après nature』展
Text by YANAKA Tomomi
ブレッソンの写真美学を集約
1908年にフランスで生まれ、若きころはシュルレアリスムなどの絵画に親しんだアンリ・カルティエ=ブレッソン。アフリカ・コートジボワールに1年滞在 後の1932年、その後も愛用することになるライカカメラとの出合いをきっかけに、生涯つづく写真への情熱を抱きはじめる。1933年にはニューヨークで 初の個展を開催。その後は映画の仕事にも参加している。 しかし、そんな彼に戦争の惨禍が待ち受ける。1940年に大戦の捕虜となり、脱走を試みるも失敗。1943年、ようやく3度目にして成功し、その後は囚人 や脱走兵を支援する地下組織にくわり、1945年にはジャーナリスト集団の一員としてパリ解放をカメラに収めたほか、ドキュメンタリー映画『帰還』も撮影 している。1947年にはロバート・キャパやジョージ・ロジャーらとともにいまも“最強の写真家集団”として名をはせるマグナム・フォトを設立。写真家と して確固たる地位を確立していく。
今回の展覧会では、そんな彼の代表作54点を展示。写真をルポタージュ技術からひとつの芸術へと高め、伝統、倫理、そして王道といった言葉であらわされる ような哲学にのっとったブレッソンの写真美学が集約された。
「私にとってカメラは、スケッチブックであり、直感と自発性を操る道具であり、そして視覚的な意味において、質問を投げかけると同時に決定を下す瞬間の支 配者である」と語ったブレッソン。大戦をはさみ、ひとびとの記憶に残る作品を数多く撮りつづけてきた希代の写真家の作品を堪能したい。
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