Internet Explorer: タコやイカを もっとよく理解できるギャラリー

2012年10月25日木曜日

タコやイカを もっとよく理解できるギャラリー


「国際頭足類デー」を記念して、タコやイカの驚くべき特技や生態 を、写真と動画でご紹介。

マダコ。Image: Beckmannjan/Wikimedia Commons

10月8日から5日間、「国際頭足類デー(International Cephalopod Awareness Days)」のイヴェントが行われた。公式Tumblrページによると、この日が選ばれ た理由は、頭足類にとって重要な数字だからだ。「タコは8本脚、イカやコウイカは8本脚と2本の触腕を持つ。従って、10番目の月の8番目の日は最良の選択のように見える。さらに頭足類の素晴らしさを称えるため、 4日間を付け足した」

われわれは彼らの説明に賛意を示さざるを得ない。以下、700種を超える頭足類たちがなぜ素晴らしいのか、その理由を説明していこう。

脳と筋肉

タコは身体の 90%が筋肉でできているが、9つの脳を持ち、訓練によってさまざまな芸を覚えることができる(タコは運動中枢が脚の付け根に独立してあり、 それらを動物の脳にあたる神経中枢が管理している(日本語版記事))。

イカやタコなどの頭足類の頭部は、無脊椎動物で最も大きい。イカは大きな視 葉(視覚情報処理を行う部分)を持ち、獲物に狙いを定めるなどの目的に役立って いる。さらに、イカはあらゆる生物中で最も大きな神経細胞を持つ。

イカは泳ぎの達人でもある。イカの泳ぐスピード は、海に棲む無脊椎動物の中で最も速い。水を取り込んで吐き出す「ジェット推進」によって、最大で時速約 40kmにも達するのだ。擬態の達人


ヒョウモンダコ。周囲の岩や海藻にカモフラージュするが、刺激を受けると青い輪や線の模様のある明るい黄色に変化する。Image: Wikimedia Commons

インドネシアのミミックオクトパスの擬態は、ただ捕食者の目をあざむくというだけでなく、毒を持つ生物になりすますものだ。

ま た、この物まね名人は発達した長い腕によって、敵より速く泳ぐことができる。その他の頭足類、例えば下の動画のコウイカなどは、色素胞と 呼ばれる色素細胞を活性化させて体色を変化させる。


Video: NOVA/PBS

アオリイカ。Image: Nhobgood/Wikimedia Commons

頭足類は、色素胞の活性をランダムに制御して体色を変化させることができる。

アメリカオオアカイカは、色素胞を使って体色を濃赤紫から白まで急速に変えることができ、体全体の色を変える のに0.15秒しかかからない。体全体の色を変えるほか、ヒレや腕の一部だけ色を変えたり、腕に複雑なパターンを描いたりすることもでき、個体間のコミュ ニケーションに用いていると考えられている。
交接する2匹のヒョウモンダコ。 Image: Roy Caldwell

「頭足類のオスはみな、精子の入った精包をメスの体内に送り込むための腕(交接腕) を持っている。ムラサキ ダコ(通称コロモダコ)のオス等の場合は、腕そのものを切り離してメスの体内に入れる」

そのほか、キタノヤ ツデイカなど一部のイカは、性別を問わず、他のどんな個体とでも交接する。深海に棲んでいて相手がよく見えないからだ。
モントレー湾に生息するアメリカオオアカイカ。Image: Zeidberg et al./PNAS

アメリカオオアカイカは、水深約200mから700mに生息する。

寿命は1年から2年だが、外套長 1.75m、体重50kgにまで成長する。約1,200個体で群れを作り、漏斗とひれを使って最高時速24km程度で泳ぐことができる。
Image: Kim Reisenbichler / Monterey Bay Aquarium Research Institute

深海に生息する頭足類のコウモリダコは、英語では吸血鬼イカ(Vampire squid)と呼ばれてきたが、実際にはプランクトンや甲殻類の死骸や糞を餌とする。

脅威に直面すると、8本の腕を 被膜ごと裏返して体を包み込む。トゲのような触毛が外側に並ぶことになるため、捕食者を追い払う役に立つとも考えられてい る。

瓶の蓋をあけるタコ。Image: Matthias Kabel/Wikimedia Commons

「水族館のタコは、深夜に隣へ出かけていっ て非常によくできた鍵やラチェットを外し、おやつを食べてしまうことで有名だ」と、シカゴにあるシェッド水族館 のブログは述べている

最近口コミで人気を集めた動画は、タコが1本の腕でトラザメの尾をつかんで動きを封じ、容器に入った餌を独り占めしている様子をとらえている。

Foiled by an octopus ... from Lauren De Vos on Vimeo.
ワールドカップ決勝戦 で、スペインがオランダに勝つと予言した時のパウルの様子。Image: Voice of America News/Wikimedia Commons

タコの『パウル』は、 2010年FIFAワールドカップにおいて、決勝戦も含め8回連続で勝つチームを正しく予想(日本語版記事)した。

悲しいことに2010年10月、パウルは2歳半で世を去った。
ミズダコ。Image: Magnus Manske/Wikimedia Commons

寒い海にすむタコは、カリウムチャネルというタンパク質をカスタマイズすることができる。

カリウムチャネルとは、カリウムイオンを 選択的に通過させ、神経系に電気信号が伝わるようにするイオンチャネルの一種だ。低温になるほどチャネルの閉じる速度が遅くなり、神経細胞の再発火が妨げられて、最終的には生物の活動が停止してしまう。極地の海にすむタコでは、このカリウムチャネルのアミノ酸を変化させることで、温暖な海のタコなら動けなくなってしまうような温度下でも、神経系の活動が維持できるようになっている

※写真のミズダコは寒海性のタコ。タコ類の最大種で、体長は脚を拡げると3-5m、体重も10-50kgにもなり、最 大記録では体長9.1m、体重272kg。成体はサメも死亡させるほど強力とされる。北海道・東北では、マダコの代わりに各種タコ料理として利用されてい る。

TEXT BY DANIELA HERNANDEZ
TRANSLATION BY ガリレオ -高橋朋子/合原弘子



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