Leica|ライカフォトキナ前日のスペシャルイベントで初公開!新型Mシステムがいよいよ
現在ドイツのケルンで開催中のカメラ見本市フォトキナで、5月にベルリンで発表したデジタルモノクローム専用機「ライカ M モノクローム」に続くサプライズを予告していたライカ。その新製品のレポートが早速、現地から届いた。
撮像素子と画像処理エンジンを一新し、
ドイツ第4の都市ケルンに世界のカメラメーカーが一堂に会するカメラ・映像機器の総合見本市「フォトキナ 2012」の開催を翌日に控えたプレスデーの9月17日、ライカカメラ社は展示会場で19時から、世界中の顧客&ジャーナリストを招待したスペシャルイベ ントを開催。同見本市でお披露目される新製品を世界で初めて公開した。
Text & Photographs(report) by SHIBUYA Yasuhito
撮像素子と画像処理エンジンを一新し、
ライブビュー機能やフルハイビジョン動画撮影機能も搭載
ドイツ第4の都市ケルンに世界のカメラメーカーが一堂に会するカメラ・映像機器の総合見本市「フォトキナ 2012」の開催を翌日に控えたプレスデーの9月17日、ライカカメラ社は展示会場で19時から、世界中の顧客&ジャーナリストを招待したスペシャルイベ ントを開催。同見本市でお披露目される新製品を世界で初めて公開した。 発表されたのは、現行のM9の後継機となる「ライカM」。Mデジタルカメラのエントリーモデルとなる「ライカ M-E」。現行のS2に代わる中判デジタル一眼レフの最新モデル「ライカS」とSシリーズ専用の3本の新レンズ。コンパクトデジタルカメラの「ライカD- LUX6」と「ライカ V-LUX4」。さらにメイド・イン・ジャーマニーのプレミアムコンパクトデジタルカメラX2のカスタマイズ版「ライカX アラカルト」。そしてイギリスを代表するデザイナー、ポール・スミスとのコラボで誕生したX2の特別限定モデル「ライカX2 ポール・スミス エディション」だ。
技術も名称も新時代に突入したMシステム
この充実した新製品のなかで最も注目したい新モデルは何といっても、M9から大きく技術的に飛躍を遂げたM型デジタルカメラの新型機「ライカ M」である。撮像素子にCMOSIS社と共同開発した有効画素2400万画素のCMOSセンサーを、画像処理エンジンにプロ用中判一眼レフ「ライカS」に 搭載されていた高性能の「ライカ マエストロ」を搭載。これまでにない最高画質と高速レスポンスを実現。さらに92万画素の3.0型液晶モニターで撮影時にレンズが捉えた画像を確認できる ライブビュー機能(2種類のフォーカスエイド機能付き)や、ハイビジョン動画撮影機能も、これまでにない画期的なものだ。そしてライブビュー機能とそのフォーカスエイド機能の活用のために本体前面に2つの専用ボタンを新たに設ける、トップカバーの背面右上、設定ダイヤルの位置に親指を掛ける突起(サムレスト)を設けてホールド性を高めるなど、操作性向上のための工夫も加えられている。
素材は、トップカバーとベースプレートは無垢の真ちゅうからの削り出し。筐体は一体構造のマグネシウム合金ダイカスト。さらにホコリや水滴からボディ内部を保護するための特殊なラバーシールが施されている。
またライカファンにとってうれしいのは、ライカのRレンズのほとんどをこの新しいMで使用できるアクセサリー「ライカRアダプターM」が登場したこと。
外付けの電子ビューファインダー「ライカ EVF2」、GPS機能付きの「マルチファンクションハンドグリップM」、3種類の「フィンガーループ」、動画撮影用の高音質音声記録要アタッチメント 「ライカマイクアダプターセット」と、これ以外のアクセサリーも大変充実している。
そして製品名称の形式もこのモデルから一新された。新モデルが従来の「システム名+数字」の「M10」ではなく「ライカ M」となったのは、“末永く価値が変わらない”ライカのカメラシステムの特徴を体現するため。今後はMシステムとSシステムについて、製品名に数字がつけ られることはないという。 ボディカラーはブラックペイント仕上げとシルバークローム仕上げの2種。価格は未発表だが、2013年初旬からの発売が予定されている。 | |
撮像素子をはじめ、画像生成に関わるすべての要素を自社内で開発したこの新しい「ライカ M」で、ライカはデジタルレンジファインダーカメラの新時代の扉を開き、カメラ界における独自のポジションをさらに確固たるものにした。同時に発表された Sシステムにも同じことが言えるが、ライカでしか味わえない世界が、新しい「ライカM」とそのシステムにはある。
スペシャルイベントも会場構成も「ライカ独自」の世界!
17日夜に展示会場で行われたスペシャルイベント、展示会場の構成も、他のカメラブランドとはまったく異なる、ライカ独自で画期的なものだった。スペシャルイベントは、19時からの第1ステージと、21時からの第2ステージの2部構成。第2ステージが新製品発表の場となったが、それに先立つ第1ステージは、報道写真の歴史を知る人には感動的で特別なものとなった。
ステージのメインテーマは、ベトナム戦争でナパーム弾に焼かれ服を脱ぎ捨てて逃げる9歳の少女の姿を捉えて、当事国アメリカをはじめ世界中に反戦の嵐を巻 き起こした写真。日本では「ナパーム弾から逃げる少女」というタイトルで知られる、1972年6月8日にライカで撮られた、文字通り“世界を変えた写真” の1枚だ。
ステージには何と、この写真を撮影した当時AP通信社のニック・ウト氏と、被写体となった当時9歳のキム・フックさん本人が登場。さらに、ウト氏と同じ場 に居た当時AP通信サイゴン支局のカメラマン、デビッド・バーネット氏ら関係者も登場してコメント。またウト氏同様ライカで“世界を変えた写真”を撮った マグナムフォトのスティーブ・マカリー氏やバーバラ・クレイム氏も登壇。感動した招待者から拍手の嵐が続いた。
さらに画期的なのは会場の構成だ。5000平方メートルという広さも驚きだが、何とその約2/3、3300平方メートルはギャラリーになっており、ウト 氏、マカリー氏、クレイム氏をはじめ、エリオット・アーウィット、荒木経惟など20人の写真家がライカで撮影した作品のギャラリーになっているという構 成。
ライカブースの来場者は新製品ばかりでなく、最新の報道写真から芸術写真の傑作まで“世界を変えたカメラ”ライカの世界を、歴史に残る写真とともに堪能できるのである。 ライカはどこまでも、ライカであり続ける。 そのことを改めて印象づけられた一夜となった。
ライカカメラジャパン
Tel.03-5221-9501
http://www.leica-camera.co.jp
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