Internet Explorer: ジャガー「Fタイプ」デザイナー、イアン・カラム氏 インタビュー(2012.06.26)

2013年7月17日水曜日

ジャガー「Fタイプ」デザイナー、イアン・カラム氏 インタビュー(2012.06.26)


2012 Beijing International Automotive Exhibition|北京国際モーターショー 2012

ジャガー「Fタイプ」デザイナー、イアン・カラム氏 インタビュー

北京国際モーターショーにおいてジャガーブースで注目を浴びた「Fタイプ コンセプト」。この新型コンセプトをはじめ、現在の「XJ」「XK」「XF」など躍動感あるあたらしいデザインを手掛けるカーデザイナー、イアン・カラム 氏に九島辰也氏がインタービューを敢行。(2012.06.26)

ジャガーのデザインに重要なもの

2011年9月のフランクフルトモーターショーで、ハイブリッドスポーツカーの「CX16コンセプト」を 発表したジャガー。デザインを担当したのはイア ン・カラム氏。現行型「XK」「XF」、そして「XJ」を手がけたデザインディレクターである。

そして、今年4月初 旬。その市販バージョンともいえる「Fタイプコンセプト」がニューヨークオートショーでアンベールされた。そこで、およそその2週間後 に北京で行われたオートチャイナ2012で、「Fタイプコンセプト」についてイアン・カラム氏に直接話をうかがった。

──「Fタイプ コンセプト」発表おめでとうございます。数年前に「Fタイプ」と名付けられたスポーツカーのコンセプトカーがありましたが、そちらはプロジェクトが消えて しまい、そのときはとても意気消沈されたそうですが?

ありがとうございます。Fタイプをこの世に出せること はとてもうれしいことです。昔のFタイプはもう10年以上経ちますね。あれはV8エンジンをミッド シップレイアウトにしたものでした。その意味では今回とはまったくちがいます。スタートはそこでしたが、新型はV6エンジンをフロントに置いてつくりまし た。

もちろん、アーキテクチャーもあたらしい。一部XKを使っているところもありますが、ほとんど新設計です。クル マにかんする法律や環境が変わっていますか ら、当時のものをそのまま使うことはできません。それにエンジンもよくなっているし、なにより私のチーム自体能力が上がっています。それはとてもうれしい ことです。 
──今回FR(フロントエンジン&リア駆 動)なのは、ハイブリッドカーを見据えたからでしょうか?

そうです。ミッドシップでない理由はそれです。フ ロントコンパートメントはXKから流用しましたから、いってしまえばV6でもV8でも積めます。ただし、 このクルマは販売価格も抑えたものです。なのでV8は価格が高くなってしまうので似合いません。XKのパーツを使ったのも開発費を抑えるためですから。サ スペンションは独自のものを開発しています。 


──Fタイプのデザインはトレンドと伝統 がどのように融合されているのでしょう?

1950年代、60年代の価値は非常にシンプルでした。「美し さ」、「パフォーマンス」、「ドライビング」、というのがスポーツカーにたいする要求事項で した。それを具体的にすると、「2人乗り」、「フロントエンジン」、「エアロダイナミクス」といった感じになります。ただ、現代は安全性や環境問題にたい する意識も高まっており、当時にはないいろいろな条件が存在します。つまりそれが現代の価値であり、それを軽んじてはなりません。

そ う考えると、必ずしもなにかを残すことがいいとはいえないのです。それよりも、1968年にリリースされたXJは当時としてはラジカルでモダンなデザイ ンだった。そのセンセーショナルさがジャガーには重要なのです。

──そして生まれた「Fタイプコンセプト」ですが、反響はどうだったの ですか?

おもった以上です。すごかった。CX16のときもそうでしたが、Fタイプはもっとでした。

──今回、Fタイプコンセプトを発表され ましたが、カラム氏からみて自動車全体のトレンドはどうなっているとおもいますか?

クーペが戻ってきたとい う印象があります。各メーカー2ドアもそうですが、4ドアクーペもラインナップしています。つまり、クロスオーバーされたというこ とでしょうか。デザイン的には複雑になっています。生産技術が上がっていることもあり、そういったデザインが可能となりました。

──最後に、いま他メーカーで興味のある デザインをしているところはありますか?

そうですね、フォルクスワーゲンはすばらしいとおもいます。デザイ ンをまとめているウォルター・デ・シルヴァ氏には敬意を持っています。シロッコもゴルフ も好きです。日本のメーカーは……ホンダにがんばってもらいたいですね。かつてはアグレッシブなデザインをしていましたが、いまは保守的に見えます。

──機会があればホンダに伝えておきま す。今日はありがとうございました。



ジャ ガーのカーデザイナー、イアン・カラム氏


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