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『クロ號』作者の実録猫4コマ作品。 手書きのタイトルに猫のきまぐれと可愛さが出ていてデザイン的にこれだ!と思いつつ、中野で開かれた関氏の講義で見た別案がまた違ったアプローチでそれもアリだった。出来上がってくる数多の完成作はさらに数多の可能性の一つであると意識すると一つ一つが奇跡すぎて頭がくらくらしてくる。
出版:実業之日本社 装丁:VOLARE 関善之
出版:角川書店 装丁:寄藤文平
宮崎駿よりも宮崎駿の匂いがする「日常系」メルヘン短編集。 童話であり児童書であり漫画である、とった感じの中身に非常に合った 丁寧なハードカバーの装丁。 学校の図書室に置いてあって欲しい。
出版:青土社 装 丁:名久井直子
色使いや構成などが巻を重ねるごとに好みになっていって4巻目。 ビスケットの床が作る奥行きとキャラ達がワイワイと 行進するような構図がとても愛らしい。
出版:少年画報社 装 丁:mill design studio
上司と部下、エキセントリックハートフルギャグストーリー。 オールカラーの中身に負けないくらいにカラフルなレインボーカバー。 そして小さい文字と、オッサン二人、と豪華にシュールなことをしている。 横シマに合った凹凸が付いていて、手触りも良い。
出版:ロッキングオン 装丁:高橋剛,浅水愛
恋の仕方を忘れた26歳出版社勤務「レンアイ断食女」の物語。 空想世界と化した部屋でまったりと本を読む、 そんな感じのイラストが水色、薄い青、 ピンクのカラーで描かれたファンシーな表紙。 タイトルなどの文字組みを含めてとてもきちんと設計されているな~ という感じに全てが収まっている。
出版:講談社 装 丁:CHProduction 内古閑智之
1巻とも2巻とも雰囲気を変えて、 すごいインパクトで締めくくってきたなという最終巻となる3巻。 強烈なキャラクターを一歩間違えればホラーになってしまうくらい 大胆な大きさと色を持って配置しつつ、口の中に文字を入れてコミカルに。 しかし子供は泣くかもしれない。
出 版:小学館 装丁:arten 石川照美
出版:Bbmfマガジン 装丁:ROCKERS山口明 I'll products
顔アップ系のキャラ変えで進めていくようだと確認した2巻。 同じ形式でキャラを変えていく表紙の巻別の好みの度合いは、 その巻のキャラへの好感度やキャラの デザインに大きく左右されると思われるが、 そういう変動を少なくするアプローチやフォーマット的工夫もありそうだと、 誰が来ても上手く表紙として調理しそうな本作品を見て漠然と思った。
出版:小学館 装丁:セキネシンイチ制作室
夢や希望からは程遠い「魔法使い」達の戦いの物語。 1,2巻は白背景に黒ロゴ、ときて3巻はあ黒背景に白ロゴ。 表紙のキャラは本編で横になっているイメージが強いが、 金髪縦ロールに赤目、ゴスロリとなかなか表紙映えするキャラだと確認した。
出版:集英社 装丁:I.S.W DESIGNING 柊椋
二人で行うストレッチ的なポージングが巻数を挟み込み、 青空を抜き出してハートのマークを形作っているようにも見える2巻。 やたら大きい窓、青い空、人物、衣装、文字の白抜きなどはそのままに、 背景の角度とポージングで1巻から変化を出してきている。 統一感と変化の両立という観点で、なかなか面白いことをしている続刊デザイン。
出版:白泉社 装 丁:名和田耕平デザイン事務所
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/ 天堂きりん
「恋」に生きる女性たちの、7篇の物語を集めた短編集。
散りばめられた各編の女性達の、
七色の空を映したようなグラデーションがかった服の色づけと、
女性の輪郭に沿って書かれた説明文の配置がオシャレな、
コードデザインスタジオ検定初級的なデザイン。
出版:マッグガーデン
装丁:コードデザインスタジオ
21巻から続くカジュアルな方向に変更されたロゴに別れを告げ、 毛筆!という雰囲気が出ているロゴに回帰した。 「もうちょっとだけ続くんじゃよ」的な伏線という気がしなくもない。
出版:講談社 装丁:THESEDAYS 田島照久
主人公(サッカー部の主将)の交代と共に表紙のアイディアがリニューアルして、4巻からは、健康的な運動部女子のポージングと、隙間からちょっと目が行ってしまう主人公、という構図に。タイトルは大きくなって、アップで描かれているけれど表紙の「主」ではない女子に大胆に重ねている。 通巻での統一性を出しながら面白さの方向を変えてくる、という興味深いことをしているが、再び主人公が変わるということで、つまりそういうことだろう。
出 版:小学館 装丁:里見英樹
1・2巻 / 小山田容子
『ワーキングピュア』のスピンオフ作品で
親元実家暮らし三十路前ガールのお話。
少ない色で目立たせる色選び、
長いタイトルの大きく個性的な配置。
特徴的かつ肩肘が張っていない。
出版:講談社
装 丁:NARTI;S 新上ヒロシ
出版:スクウェア・エニックス
装丁:岩佐陽子
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ピンクの百合背景に金髪ロンゲ男子高生、 それが違和感なくまとまっている、という違和感。 通常版が銀色でピンクのほうがプレミア感がある、 これがまずおかしい。(ほめている)
出版:一迅社 装 丁:BALCOLONY.
1巻は黄緑、そして今巻はオレンジ色。 イラストエリアの紅葉と共に、 無地エリアのオレンジ色が表紙の秋らしい雰囲気を形成している。 昨年大きく紹介したので今年は控えめにしておくけれども 装丁の良さは相変わらず。 次回作にも期待したい。
出版:芳文社 装丁:里見英樹
/ 水あさと
制服時代の切ない恋物語&赤面女子の日常ラブコメディを集めた短編集。
泣き顔系その1。
夕暮れ間近の教室で少女が大泣きする、甘酸っぱさ満点のイラストと、
「ようこそ!」とギャップのあるシンプルでさっぱりした
タイトルのバランスが印象に残る。
出版:メディアファクトリー
装丁:アルティザン 倉地悠介
ココロを持ったロボットたちの、切なくて温かいオムニバス。 薄茶の色合いのカバーに描かれているのは 各エピソードの主役となるロボット達。 キャラクターには、線画の境界に関係なく柔らかい光で照らすように 色があてられている。 カバーは薄く、カバー下の丸いも模様が透けて少し現れている。 とてもほっこりする装丁。
出版:小学館 装丁:ベイブリッジスタジオ 黒木香
出版:講談社
装丁:名和田耕平デザイン事務所
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1966 年、東京で過ごすイタリア人大学教授の物語。 おそらく、『テルマエ・ロマエ』のデザインあってのこの流れなのだろうと 勝手に納得 した、肖像画のように描かれた 男性の茶色のイラストと、銀色の文字。 渋い。
出版:集英社 装丁:BRiDGE 松本哲児
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【第125位】 ヒナまつり 3巻 / 大武政夫
サイキック色が段々薄まってない? という本編と逆を行くような3巻の表紙。 こういう、ギャグ作品が意味不明な スペクタル感を漂わせるやり口は、 大変好物である。
出版:エンターブレイン 装丁:林健一
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サイキック色が段々薄まってない? という本編と逆を行くような3巻の表紙。 こういう、ギャグ作品が意味不明な スペクタル感を漂わせるやり口は、 大変好物である。
出版:エンターブレイン 装丁:林健一
あらゆる異種族間交流を描いたSF・ファンタジー系短編集。 泣き顔系その2。 カバーの表裏に各編のキャラを散りばめたタイプの短編系デザイン。 キャラ達が笑顔、怒り顔、困り顔と豊かな表情を揃えているからこそ より感情の差が顕著になった、表題作の少女の泣き顔。 そして表紙をめくると…。
出版:集英社 装 丁:NARTI;S 新上ヒロシ
2巻 / 大武ユキ
『フットボールネーション』のシリーズ的な位置づけで刊行された新装版。
男の背中とナンバーで語らせる、
2巻だからこその表紙。
出版:集英社
装丁:VOLARE 関善之
1903年、日露戦争開戦の半年前、満洲から始まる大河物語。 今では古めかしいかめらを構えた男、騎馬隊、兵士達、大きな石碑。 安彦氏の、シーンやイメージの集合的なイラストはいつもクオリティが高い。
出版:講談社 装丁:ARTEN 中村忠朗
最終巻。 前巻は抽象背景で、奥+横方向にキャラが広がっていたが、 本巻は本棚を背景にして、キャラ達を 浮かせるように高さを持ってキャラを配置している。 キャラが浮くファンタジーな構図だからこそ実現する、 見上げる視点になっているのがキャラ集合系の 表紙の中でも変わって見えるポイントだと思われる。
出版:芳文社 装丁:名和田耕平デザイン事務所
東京タワー、自由の女神と牛久大仏、そしてスフィンクスとピラミッド。 4冊を眺めて、汎用性が高く、かつどこを飛んでも絵になる、 かなり優秀なフォーマットだと思える。
出版:芳文社 装丁:里見英樹
出版:集英社 装丁:LIGHTNING
『森田さんは無口』作者による離島の学園コメディ4コマ。 素足で砂浜を歩く主人公のお嬢様先生を収めた、青色がとても綺麗な表紙。 空に配置されたレーベル名、タイトル、作者名、巻数表記の 均衡の取れた組み方がさりげなく美しい。
出版:双葉社 装丁:名和田耕平デザイン事務所
& DOG STYLE 8巻 / C.H.LINE,太田垣康男
白地に黒のロゴや文字が入った枠に、
兵器のある風景を収めるフォーマットになっている本作。
8巻は、枠の中のイラストも背景が白になって、白+白。
イラスト部分と周りの枠の間の薄い境界線によって
内側の白が目の眩むような光のように認識できる。
出 版:スクウェア・エニックス
装丁:2725 渡辺宏一
少女の横顔アップ。目線の先にはトンボ。 空いたごく小さなエリアにシックな色使いの簡素な風景。 情緒を加えたドアップ系。
出 版:スクウェア・エニックス 装丁:ソルト ヤマザキミヨコ
出版:小学館 装丁:ベイブリジスタジオ 吉村勲
巻を重ねるごとに表紙におけるキャラの占める割合が大きくなってきて、 背景の文字に被さっていき、 6巻では「監獄学園」の「学園」の文字がほぼ隠れてしまった。 読みは「プリズンスクール」なので問題ないとは言っても、これは大胆。 これまでの見えている巻があるからこそできる、 遊びの大きいデザインと言える。
出版:講談社 装 丁:スラッシュ 福村理恵
絵巻を思わせる和風の味付けがぐっとくる本作品の装丁。 主人公を中心にして仲間大集合!的なイラストは鉄板、という具合に 巻を重ねた後でやると効果的な王道的にかっこいい表紙になっている。
出版: 装丁:ベイブリッジスタジオ
月刊コミックビーム連載の短編連作「庭先塩梅」のコミックス第三 弾。 水蜻蛉、金魚草ときて、今回は地図苔(参考:webblio辞書-地図苔)。 ところどころが欠けたような絶妙に古びたようなロゴの加工は、 コピー印刷を何回も通して劣化させた的なお話を 101位と同じく講義で聞いており、 成程、と眺めてしま う。
出版:エンターブレイン 装 丁:VOLARE 関善之
虹の部分の塗り方とかを見てみると、 シリーズの装丁の薄い色彩が個性を生んでいるとよくわかる。 キャラが左を向いているのがポイントで、 カバーを開いてみた時にその練られた構成におおっとなる。
出版: 装丁:NARTI;S 新上ヒロシ
インドア趣味で高所恐怖症な少女の登山物語。 背景に実際の山の写真が使われているが(場所は赤岳)、 キャラの塗りが上手く合わせられていて 違和感がなくまとまっている。
出版:泰文堂 装丁:KOMEWORKS 木緒なち
お母さんと二人暮らしの川畑菫10歳、 彼女の前向きが周りの人にも力を与えるお話。 道端で、黄色く色づいたイチョウを見上げる主人公が見下ろし視点で描かれたイラスト。白抜きのタイトルと作者名。道路、植え込み、イチョウと要素を絞った描き込みで絶景感を出すことなくさりげなく変わった構図が印象に残る背伸びしていない表紙。
出版:小学館 装丁:葛西恵
若くしてハゲたことについて綴られたコミックエッセイ。 高価な額縁的模様に囲まれた、作者の自画像的イラスト。 「ハゲであるが何か?」と言わんばかりの自信と気品が溢れている。
出版:メディアファクトリー 装丁:東京100ミリバールスタジオ 松田剛
平台の巻・棚の巻 / 久世番子
書店員さんのあるあると悲喜こもごも の詰まった面白エッセイマンガの完全版。
赤地と白文字、白文字と赤字と対にして、コミカルさをそのままに完全版らしく空間を大胆に使った大人なデ ザインになった。
出版:新書館
装 丁:VOLARE 関善之
作者のウサギ観察日誌的な4コマエッセイマンガ。 タイトル、文字を小さくしてキャラに重ねず、 「FLOWER COMICS」表記も既存作品より目立たなくして、 出来るかぎりうさぎを前面に出してきている。 名が体を表すというか、体が十分すぎるほど名を表していて、 まさに「うさギョロ!」。
出版:小学館 装丁:fireworks.vc 近田火日輝
出版:新書館 装丁:-
小さいおじさんがひとつだけ願い事を叶えてくれる、 『ワンダフルライフ?』のスピンオフ作品。 テーブルの上、一斤のパンの横にちょこんと存在する小さなおじさん。 挿絵のようなイラストが白い枠に収められたとても上品な表紙。
出版:講談社 装丁:NARTI;S 新上ヒロシ
最近増えてきたように感じる 上部白帯タイトルエリア+下部背景入りイラストタイプ。 こちらの作品では加えて各巻で視点に個性を加えてイラストに個性をつけている。 4巻は、ぬいぐるみとマルチディスプレイの組み合わせが ミスマッチな少女の部屋の見下ろし視点。 白いタイトルエリアの確保が暗めの部屋を表現するのに邪魔をせず、 またコントラストがより表紙を目立たせている。
出版:小学館 装丁:ベイブリッジスタジオ 辻本有博
学校医として保健室にやってきた医者が、 学校で起こる病気トラブルを解決していく医療ドラマ作品。 水平を入れず、続きのある空間を意識させる構図。 それに合わせられた傾きのあるタイトル。 沢山の子供達の描かれたイラストの色合いが優しく、 大変朗らかな空気を形成している。
出版:講談社 装丁:川谷 デザイン
定年間近の刑事と心を読める少女の年の差恋愛物。 松本次郎作品以外で岡崎氏の名前が!というのがまず一つ。 体を寄せ合う二人の見せるための構図の面白さもあるが、 表紙を幻想的に演出している、イラストの絶妙な色合いが一番 伝えたいところで、その辺は手にしてみないと伝わりにくいと思われる。 カバーを開いてみても美しい。
出版:太田出版 装丁:岡崎直哉
アフタヌーンで掲載されていた初連載作の、小学館からの新装版。 旧版のキャラを見せるための表紙から極端にシフトチェンジして、 風景の中にキャラを紛れ込ませるおとなしく大人っぽい表紙になった。 しかも、1巻からいきなり夜景をチョイスするという超変化球ぶり。 連載中の作品を持つ作者の「新装版」という位置だからこそ生まれたと思う、 なかなか面白いことをしているな~と思うデザイン。
出版: 小学館 装丁:ベイブリッジスタジオ 白山仁
少女たちのほのぼのな物語を詰め込んだ、ほんわか百合作品集。 わたがしのように広がるお菓子入りの雲につつまれる少女。 女の子文字なタイトルの散らばり具合も手伝って、 まさしく「ふわふわ」。
出版:新書館 装丁:arcoinc 楠目智宏,池田悠
顔だけの石像をいじくるとは盲点だった。 あと何巻続くかわからないけれども、 かなり選択の幅が広がった気がする。
出版:エ ンターブレイン 装丁:セキネシンイチ制作室
2・3巻 / 今井ユウ
駄菓子屋前と夕暮れの駅。
身近な場所を、凝ったアングルと人物配置で表紙栄えさせるイラストにするのが上手いことと、白枠のバランスがいいフォーマットであることがはっきりとわかった。
出版:講談社
装丁:G×complex 久遠敦司
WEB4 コママンガ『堀さんと宮村くん』の作画を新たにしたコミカライズ作品。 宮村くんは右向き、堀さんは左向きと背中合わせの二人をちょっと重ねた横並びの人物配置と、一人に2文字乗ってちょうど良く収まる横置きの4文字タイトル。二人の作者名をデザイン的アイテムとして盛り込むための黒い横ライン。ローマ字でささやかに添えられた原作のタイトル。二人横並び系のデザインの中でも一味違って目立っていた。
出版:スクウェア・エニックス 装丁:NARTI;S 橋本清香
グロテスクな謎生物がいないため、 いつもより純粋にメルヘンチックな5巻。 巻数表記部分の可愛らしい遊びに3年たって気が付いた。
出 版:徳間書店 装丁:アイ・ビーグラフィックス
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出版:新潮社 装 丁:arten 石川照美
作者初の短編集で3冊目の単行本ということで、 hive×豊田徹也タッグのカバーデザインも3回目。 水面に沈む女性⇒カフェ+コーヒーのシミ⇒ほぼ白黒のバイク単品(イエローデスモ)と毎回妙に個性を発揮していて表紙買い欲をピンポイントで突いてきているが、これらの作品については作者とデザイナーのアイディア出しの割合がわりと気になっている。
出版:講談社 装 丁:hive 久持正士
絶版となっている同名のコミックスの新装版。 枠と黒い背景、美しい舞。 舞台の上の別世界を表現するような装丁。 水谷フーカ作品は毎回違った趣向が凝らされていて ちょいちょい紹介したくなる。
出版:白泉社 装 丁:名和田耕平デザイン事務所
/ 竹葉久美子
校舎前、粉雪の下で雪合戦。
昼間の暗めな雪模様が描かれた、鮮やかさを入れない風景。
明るさはキャラの髪色や楽しげな雰囲気で出しつつ、
全体的にはシックな冬のカバー。
通巻で黄色い巻数部分が、
この巻ではアクセントとして非常に良く機能している。
出版:アスキー・メディアワークス
装丁:ZIN STUDIO 神宮司訓之
伝統こけし解説的コミックエッセイ。 こけしとこけしっぽく並んだ作者、そしてこけしっぽい配色の背景。 強い和のテーマを題材としながら、表紙のトータルバランスをどこか モダンに仕上げて、門口を広げていそうなところが上手いと思う。
出版:イースト・プレス 装丁:井上則人デザイン事務所 安藤公美
訳があって会社を辞めた女性の、正しく働かない生活を描いた日常作品。 双見酔『空の下屋根の中』の1巻もベッドにキャラを寝かせていたが、 こちらは もっと部屋を地味にして、キャラに布団まで被せてしまっている。 「何もしない」も突き詰めるとアグレッシブになる、という表紙。
出 版:メディアファクトリー 装丁:hive 久持正士,笠巻彩子
出版:芳文社 装 丁:L.S.D. シマダヒデアキ
出版:講談社 装 丁:NARTI;S 新上ヒロシ
出版:メディアファクトリー 装丁:里見英樹
兄と弟をどちらか必ず入れつつ、サブキャラなし、 1人、2人以上と変化を付ける白ホログラムカバーを続けて18巻。 今回は兄+サブキャラ複数人構成の兄引き立て系。 引き立てたり対等にしたり、統一感をもたせた中での バリエーションの付け方が柔軟でなかなか飽きない。
出 版:講談社 装丁:セキネシンイチ制作室
出版:講談社 装丁:solla 吉永祐介
1巻 / 氷川へきる
ゆるふわな日常に怪物とのバトル。
普通の漫画と4コマが入り混じったハイブリッド学園コメディ。
白背景に主線が明るいパステルな色使いのイラスト、
大胆にはみ出てて読めない飾り特化の英字タイトル。
イラストレーション的なポップさが目を引く。
出版:スクウェア・エニックス
装丁:草野剛デザイン事務所 草野剛
文明開化の時代の、不思議な貸本屋と妖怪達の物語。 茶系の色でまとまった和服主人のイラストと、 黒し四角に一文字づつ収められたロゴ、 ツタ系の装飾。和モダン、という言葉が適切かわからないが、 明治のお話と知って、その佇まいに納得。 背表紙や見返しなど、全体的に拘りが見えて楽しい装丁になっている。
出版:新潮社 装 丁:crazy force 竹内亮輔
出版:芳文社 装丁:KOMEWORKS 木緒なち
モテモテ転校生の山田君と、唯一山田君の真の姿?を認識するクール女子の 少女マンガ的学園ラブコメ風ギャグ作品。 黄緑の背景に、ゲコゲコと鳴きそうな「山田君」がわんさか。 少女漫画の中でなかなか奇妙な存在感を放つ緑の表紙になっている。
出版:集英社 装丁:名和田耕平デザイン事務所
過去のトラウマと想い人に縛られつつ、変わりたいと願う挙動不審主人公の物語。 黄色い傘を差して涙を流す主人公とともに、背景に描かれた落書きチックな生き物達が大粒の涙を流し、タイトルも雫に包まれている。本編のリアルな痛みから逃避するように、とにかくメルヘンなカバーになっているが、あら可愛いで手に取ると、結構ヘビーなパンチを喰らうことになるかもしれない。
出版:講談社 装丁:NARTI;S 新上ヒロシ
2巻 / 岡田有希
癒やしと戦慄の、パンダ高校生ギャグ。
席に座って授業を受ける、巨漢パンダ、
レッサーパンダ、猫、そして人間。
パンダオンリーの1巻に対し、
よりカオスな作品の世界観がわかりやすくなった。
出版:小学館
装 丁:名和田耕平デザイン事務所
1巻 / 不動らん,BONES
エウレカセブンの続編アニメ化と共に刊行されたコミカライズ2作、その1冊。
担当はやはり、無印のアニメやコミカライズのデザインに携わってきた草野氏。
上部に白のラインを入れつつ、イラストエリアの背景はピンク一色。
乙女チックになるわけでもなく、しかしとても明るく目立つ。
出 版:角川書店
装丁:草野剛デザイン事務所 草野剛
1~7巻の表紙は色あせた写真のように赤茶色、薄茶色、 クリーム色あたりの非常に近い色でまとめられていた。 一転して急に青系になった8巻は、 転じて「今」を感じさせる雰囲気に。 9巻の行方に注目したい。
出版:講談社 装丁:渡邊龍太郎
出 版:集英社 装丁:GENI A LOIDE 小林満
/ アキヤマ香
どこにでもある商店街とどこにでもあるお店を舞台にした、
2連作を2つ収録した短編集。
美味しそうなオムライスと少女の満面の笑み、ダンディなシェフが
ブラウンの枠で品良く収まったレストランのメニューのような雰囲気の表紙。
英文で何気に良いことが書いてある。
出版:アスキー・メディアワークス
装丁:葛西恵
「よさこい」を取り扱った作品。 見下ろし視点にして三次元的に見えるアングルで、1冊1冊の本を、 美しい書影が確認できるくらいに細かく描き込んでいる。 制服の上に着物を羽織った主人公と共に 紫系の淡いパステル調の塗りで統一されて、 美しい和の雰囲気が出た、魅せるための本棚。
出版:芳文社 装 丁:BALCOLONY.
出版:光文社 装丁:冨田由比
「女漫画家、東京都内に数寄屋を建てる」(←副題) というコミックエッセイ。 柳沢教授等、表紙で作者と競演する自作キャラクターたち。 自分のキャラクターの隣でカンナを削る作者。 なかなか面白い絵面になっている。
出版:集英社 装丁:NARTI;S 新上ヒロシ
親よりも先に死んでしまった子供たちが、 自らの死因を武器にかえて生き返りをかけて殺し合う、バトロワ系の作品。 赤紫がかった夜の景色が、不穏な空気を演出しているイラスト。 作者名と巻数を空に載せつつ、タイトルを少女たちに重ねた 何となく奇妙なバランスの文字配置。 綺麗な中に引っ掛かりを作って気を引く1巻、しかし終わってしまうようだ…。
出版:スクウェア・エニックス 装丁:GAROWA GRAPHICO 山口拓三
現役店員である著者が 小料理屋のあれこれについて語ったコミックエッセイ。 心地よさそうなお店の雰囲気の出た、暖色の多いイラスト。 描き文字的な白いタイトルがアットホーム感を演出している。
出版:イースト・プレス 装丁:NARTI;S 新上ヒロシ
切ない系の物語を5篇収録した短編集。 泣き顔系その3。 主線を消したイラストへの絵画のような塗りと 英字を目立たせて日本語の存在を薄くしたその構成で、 文学作品のように上品に仕上がっていて、 グレイの色調で色使いを極端に抑えながら、とても綺麗に目に写る。
出 版:講談社 装丁:CHProduction 内古閑智之
ガトリングセレクション / 横内なおき
コミックボンボン掲載作品の傑作選。
子供らしさとコミカルさをそのままに、
黄色と黒のシンプルな色使いで
洗練されたかっこよさも併せ持った復刊的装丁。
その間約10年。
出版:講談社
装 丁:坂上和也
1・2巻 / 有永イネ,小川洋子
謎めくアーケードで繰り広げられる感動ドラマ。1巻はアーケードを覗くように、2巻は木の上から地面を見下ろすように。奥行きを意識して描かれたイラストは、カバー全体に広がっていて、個で見ても広げてみても様になっている。
出版:講談社
装丁:釣巻デザイン室
/ ヒロモト森一
謎のゾンビ武者軍団と戦う高校生コンビの活躍を描く
デス・バイオレンス・アクション。
腐ってる感満載の武者ゾンビ軍団のイラストと、
和とモダンなテイストの合わさったロゴ。
怖いよりかっこいいが来るゾンビ作品の表紙。
出版:ホビージャパン
装丁:hive 久持正士
ありとあらゆるロマ ンスを企画、製造、販売する 超一流企業を舞台にしたOLギャグ作品。 あの頃の少女漫画的なイラストが現在のデザインで味付けされるだけで 面白いのだから、絵柄は変遷していくものなんだな~と実感させられる装丁。 30年後にこの記事が残っていたら、どう目に写るのか想像していみると、 ちょっとわくわくする。
出版:宙出版 装丁:NARTI;S 新上ヒロシ
出版:秋田書店 装丁:5GAS 宮村和生
出版:講談社
装丁:アルティザン 深海和宏
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人と、人の姿をしながら人間の肉を喰らって生きる喰種(グール)の物語。 喰種の混じった主人公の立ち位置を表すかのような青白いキャラの塗りと、 それを浮き彫りにする真っ白の背景。 怖くてかっこいい。
出版:集英社 装丁:L.S.D. シマダヒデアキ
二人と結婚できる“重婚法案"に振り回される人達のお話。 クリーム色の背景に、寝そべるヒロインを カバーをまたがるようにして配置している。 表紙を占める腕部分の面積が広くて目を引き、 ドアップ系の表紙の中でもより人物が大きく、近く感じられる。
出版:芳文社 装丁:名和田耕平デザイン事務所
出 版:講談社 装丁:5GAS 宮村和生
出版:角川書店 装丁:BE-ENTO 鹿住忠広
1巻 / 柊裕一
エロい妄想を続けないと命が危ない、
ゾンビでビッチな高校生のエロ勘違い系コメディ。
カタカナと漢字、ひらがなで書体を大きく変え、マークを加えて
口語系の長いタイトルを面白く目立たせたデザイン。
タイトルや背景の妙なマークがUV加工でつるっと膨れていて、
さりげなく豪華な印象を受ける。
出版: スクウェア・エニックス
装丁:NARTI;S 杉本智行
キスで超常現象が起こる、無節操キス超能力学園コメディ。 物語で重要な「キス」のマークを入れたロゴがビシッと決まった表紙。 背景は枠の中に校舎が描かれているが、そこに色が乗せられ、 さらに男性マーク(♂)と女性マーク(♀)が散りばめられていて、 キャラを背景から浮き立たせている。 1,2,3巻と綺麗にまとまっているが、ここは 主人公の「山田くん」が出ている2巻をピックアップしておきたい。
出 版:講談社 装丁:hive 久持正士
地味兄、ゴリラ弟、地味兄の娘、デコデコボコな3人暮らし4コマ。 オジサン二人と幼稚園児一人という奇妙な組み合わせを、 ブランコを利用することで優先順位を上手くつけてイラストにしている。 背表紙へのイラストの入れ方は、 作品の内容に合った個性を強く発揮している。
出版:竹書房 装 丁:ISO DESIGN WORKS 磯崎真也
Uの字の間のところだけくり貫いたようなイラスト配置で、 普通はやらないぶりに拍車が掛かっている15巻。 無色のイラスト部分にたれ下げた干し柿を仕込みつつ、無地の部分に 鮮やかなオレンジ色を配色。今回もまた乙。
出版:講談社 装丁:L.S.D. シマダヒデアキ
同人誌発、「楽園」web増刊の長編作品。 カバー下に作者のカラーイラストを載せて、その上に赤く透き通ったカバーを被せている。胸がはだけた女性のきわどいイラストに、もう一枚服を着せるようにフィルターがかかり、直接的なエロさが抑えられて品が良くなりつつ、より妖艶でミステリアスにまとまっている。
出 版:白泉社 装丁:名和田耕平デザイン事務所
10巻を突破して区切りのいいタイミングで、若干のリニューアルにより雰囲気が少し変わった11巻の表紙。 これまで散らばっていたタイトル、作者名、巻数が1箇所にまとめられて、黒で統一された。小さくなりつつも視認性は良くなり、斜めに角度が付けられて存在感もばっちり。視点を引いて馬まで入れたイラストは新たなかっこよさを見せてくれている。洗練されてシンプルな方向に向かった表紙の次の一手が待ち遠しい。
出版:講談社 装丁:-
男2女1宇宙人1、バンドドキュメンタリー作品。 上下二色分割で、下はあじさいをイメージさせる紫色。 キャラは背の順に並んでいて、頭一つ分抜き出た宇宙人が 放つ妙な存在感。 中の印刷も、黒ではなく紫色が使われている。
出版:マイクロマガジン社 装丁:マイクロハウス クリエイティブ事業部 横尾清隆
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